このお値段とは到底思えない
ボルドーワインの中で私の一番好きなタイプ、穏やかなメルローの丸みが上品に表現された綺麗目ボルドー、このお値段とは到底思えないバランスの良さを持ち、ピノ好きの私が1本空けてしまいたくなるような、そんな優しさのあるエレガント・ボルドーをやっと見つけることが出来ました!
調べてみると、オーナー兼醸造長があの5大シャトー「シャトー・マルゴー」で代々醸造責任者を努めるエリック・グランジュール一家の4代目であったり、その上醸造コンサルタントには、新生天才醸造コンサルトの一人、オリヴィエ・ドーガ氏が手を掛けていたり、更には畑も本来マルゴーであるべき区画なのでは?というマルゴーの区画に程近い立地で造られていると言う、世の中的にはキャッチコピーの多いプチ・ブランドワインでした。
1本空けてしまいたくなる
エレガント・ボルドー
2大生産地、ボルドーとブルゴーニュで対比させると、酸が綺麗で繊細なブルゴーニュに比べて、濃厚でふくよかな印象の強いボルドー。でもそのボルドーの中でも、カベルネ主体であるのか、メルロー主体であるのか、果実味豊かなタイプなのか、土壌を感じるタイプなのか、タイプ分けの仕方によっても様々ですが、色んなタイプがあります。
このワインは決して華やかでインパクトのあるタイプではありません。最初の一口で「おおっ」と感動するワインではない。でも1本付き合ってみて改めて、その美味しさに納得できる、「上品さ」があります。
メルローらしさ、素直な果実味、丸みあるタンニン、
バランスが良くて、引っ掛かりがない
強くて濃いだけのワインではなく、エレガントさを兼ね備えたワイン、引っ掛かりがなく角がない上品な仕上がりで、とにかくバランスがとても良いです。
フレッシュなだけじゃない、飲みやすいだけじゃない、果実味はしっかり詰まって旨味も有りながら、しなやかに身体に入っていく、優しさのあるワインですね。 |
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シャトー・マルゴーの醸造責任者を努めた
グランジュール一家が独立
それでは、「おお〜」と思う事実をご紹介いたします。
オーナー兼醸造長であるエリック・グラングルー氏の家系は、曽祖父、祖父、父と、3代に渡って「シャトー・マルゴー」の醸造責任者を努めてきました。
ところが4代目となるエリック氏はワイン造りに没頭し、勿論その候補者となりながらも辞退を決意、父親と共に以前から所有していた畑で自社ブランドのワインを立ち上げたのです。
本場フランスでも大注目!
本場フランスでも彼のワインは瞬く間に広まりました。
ACマルゴーの上級キュヴェであるシャトー・デゼランは、マルゴーのワイン造りのノウハウを熟知した技術から生まれたワインだと評判になっているそうです。
フランスの有名ワイン雑誌で『シャトー・デ・ゼランス2005』は、「素晴らしい成功をおさめたワイン!」
と大絶賛を受けております。
葡萄畑はマルゴーのすぐそば!
シャトーはマルゴー地区のラスコンブのすぐ裏、小さなシャトーですが周りには多くの有名シャトーに囲まれています。
所有する畑は9ha、内2.5haが醸造所のすぐ横にあり、マルゴーの畑まで歩いて6歩という驚く程素晴らしい立地条件を持っています。ここからはACマルゴーとして、最高キュヴェのシャトー・デゼランが生まれています。残りの畑はそこから程近いジロンド河沿いにあり、土壌には粘土質が混じるのでメルローに適した素晴らしい土地です。この土地から出来たワインが、今回ご紹介の「クリュ・モンプレジール」となります。
コンサルタントがワインを変える時代
新世代天才醸造コンサルトの、オリヴィエ・ドーガ氏
それだけではありません。オリヴィエ・ドーガという醸造コンサルタントをご存知でしょうか?
今ボルドー地方のワインに特に注目かれているのが、醸造コンサルタント。
映画や雑誌で超有名人と化した、フライング・ワインメイカー、ミシェル・ロラン氏に続き、ステファン・デュルノンクール氏やオリヴィエ・ドーガ氏は、数々の無名ワインを衝撃的に世の中の人気者にさせる、天才醸造コンサルタントの一人なのです。
もともと単一品種で繊細なピノに比べ、ブレンド比率や樽の使い方1つでタイプが変わってくるボルドーワインは、技術による影響が大きく出やすい特徴があります。恐ろしい事でもありますが、やはり造り方の工夫で良くも悪くも造られるワインは全く別物のように変わることもあります。
そんな中、オリヴィエ・ドーガ氏の拘りは、あくまで土地のサポート。
「土地の個性を出したい、品質の優れたワインを生産したい」
どちらかと言うとブルゴーニュに近い考え方があります。
ミシェル・ロラン氏はどんな地域のワインでも濃くて華やかで素晴らしいワインに変えてしまうマジックを持っていますが、オリヴィエ・ドーガ氏はあくまで、土地の個性を生かすことを生産者と共有し追及する、真摯な醸造コンサルタントです。
※インポーターさんとのお話中、これからは「ブルゴーニュの生産者追い」に対して、「ボルドーは醸造コンサルタントが注目されるのではないか」とおっしゃっていました。
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