有名な「シャトー街道」のカーブを曲がると、三本の旗を翻し、円錐形の小塔を脇に固めたシャトー・パルメの優雅な姿が遠くに見えてきます。
古典様式、バロック様式、ルネッサンス様式が見事に融合したこのシャトーは、ボルドーの二大有名建築「ボルドー美術館」や「シャルトロン市場」も手がけた建築家、シャルル・ビュルゲによるものです。1856年にイザアック・ペレールとエミル・ペレール兄弟の依頼で建てられたこのシャトーは、ブルーの鎧戸の高窓や、彫刻が施された窓枠、スレート屋根に特徴があります。ガラス張りの門を開くとごく最近造られた、芸術的な刈り込みがされた庭が広がります。
庭の向こうには、パルメのブドウ畑の広がるマルゴー村やカントナック村のなだらかな丘が見えます。メドックの青空の下、地平線の彼方までメルロ−とカベルネ・ソーヴィニヨンの長い畝が続きます。
現在の発酵所は、1995年に建設されました。最新のステンレスタンクは、裾広がりの上部がすぼまった形になっています。木造の建屋が発酵槽の金属的な輝きを和らげています。
温度管理された発酵槽が42基置かれ、発酵槽上部は木造の天井裏に突き出ています。ここで晩餐会が開かれることもありますが、この独特の梁の構造はお客様の好評を博しています。
ワイン造りに携わる人々の守護聖人である聖ヴァンサンに暖かく見守られながら、その年に収穫されたワインは1年目用のセラーでゆっくりと熟成していきます。
シャトー・パルメ とアルター・エゴの熟成には厳選された木樽を使用しています。この樽の中でワインに独特な個性が宿ります。その後、ブドウ畑に面した2年目のワイン用のセラーで、ワインは熟成を終えます。
シャトー・パルメの品質の主な要因は、そのテロワールにあります。砂利層の丘の頂きという風土が、偉大にしてエレガント、凝縮感といったマルゴー村特有のスタイルをもたらしています。もちろん、人間という要素もこの素晴らしい土壌を最大限に活かすのに欠くことができません。すなわち、この類まれなるグラン・クリュを生むのに必要とされるのは、テロワールとワイン造りの技術との結合なのです。
ブドウ品種の選択も重要です。パルメでは、メルロー種とカベルネ・ソーヴィニョン種をそれぞれ47%、それらを補うプティ・ヴェルド種を6%使用しています。シャトー・パルメのワインは果実、花、スパイスのニュアンスを帯びた驚くほど繊細なアロマと、ボディが濃厚でボリューム感があり、構造のしっかりした味わいを持っています。
ブドウ栽培方法や醸造、酒倉での成熟の技術によって、パルメの伝説的な繊細さとマルゴーの凝縮感との調和に成功した、極上銘醸ワイン特有の熟成度の高いワインが造られるのです。
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